ドルフィンウォッチング

観劇や推しの活動の個人的なメモ。

2017/06/04 舞台「ハイスクール!奇面組」マチソワ

日程:2017年6月4日
会場:新宿 全労済ホール スペース・ゼロ
開演 12:00 / 17:00
終了 14:15頃 / 19:25頃(休憩なし)

出演者:平野良、寺山武志、もう中学生、高木晋哉、鳥越裕貴、松田彩希、東理紗なだぎ武花原あんり、奈良岡にこ、才川コージ、葉山昴、佐藤友咲、柴小聖、鈴木勤、森本亮治、上田芽依、小林都、佐藤輝、鈴木そぼく、中村翼、川畑亮人(敬称略)

 

 

 おもしろかったです。

 素直な気持ちで観れば、とてもおもしろかったです。全力で馬鹿やりながらもストーリーはきちんとあってテンポもそこそこ。まとまりもある。原作未読でも各キャラを自然に見分けてストレスなく観ることができました。元々名作漫画だからキャラが濃くわかりやすいんでしょうね。

 捻くれた見方をすれば大人の文化祭って感じでした。昭和のコント。あえてのチープなハリボテ。自由度の高いアドリブパート。芸人さんはご本人の持ちネタすら出す。予定外風の予定調和ギャグと本当に想定外のドタバタ。

 好き嫌いはかなり別れると思います。あとはその日のアドリブの仕上がりでも反応が分かれそうだと感じました。


 期待しないで行った前楽は思いの外楽しくて夜も楽しみだなと思ってたんですが、夜は千秋楽の嫌なところが凝縮されてしまっていて個人的にはガッカリでした。

 ここぞとばかりにアドリブを引っぱってしつこく引き際をわきまえずに何度もやる。絡んだ側がベテランで絡まれた側の経験が浅いから流れをうまく立て直せない、立て直そうとしてもギャグのテイで揚げ足を取られてなかなか進まない。しかもキャラクターから逸脱している。本来意図されてないメタネタまで入れてくる。9割なだぎ武さんのことですが。

 最後に楽しく盛り上げたいのははわかるんですけど演じる側の自己満足としか思えないです。テニミュでも感じることがあったので千秋楽においては避けられない問題なのかもしれません。私は落語や漫才みたいに何度同じネタをやっても安定して笑えるお笑いが好きなので、千秋楽では脚本にある基本の笑いをさっと流して演じてたのが少し残念でした。7公演みっちりだったので演じる側も勢いつけないとモチベーションが保てなかったのかもしれませんが。


 そんな中で推しはとてもとてもかわいかったです。あんなビジュアルなのにかわいくてビックリです。何年たっても毎回こんな感じの感想を抱いていますので観劇に関してはまるで進歩が見られない自分にもびっくりです。

 でもかわいかったんですよ。眉毛がないのにかわいかったんですよ。料亭のおばあちゃんとか劇中でのダンスとかびっくりするほどかわいかったんですよ。

 ひいき目でよく目ですけど、他の4人がビジュアルからして濃いのでともすれば薄くなりがちなところをリーダーとしてきちんと締めていました。笑いに関しても全体を見通して緩急冴え渡っていました。カッコイイナレーション入れるところとか「ロボット…ゆうたん?」とか大好き! 幽体離脱?したり忍術使ったりして逃げるところも、大きい声を出して勢いでがーって言うだけではなく、丁寧に細かく細かくやって客席の注意を引きつけているのもさすがです。おもしろかったです。


 ダブルのカテコで自己紹介もせずいきなり苦労を語り出した時はちょっとだけ引きました。大変な現場だったとしても観る方には一切関係がないのです。価格相応の仕上がりになってなくてもクーリングオフが効かないのが舞台です。*1

 自分が生まれた頃の昭和のギャグ漫画を今やる意味とは、一生懸命楽しくできてよかったというようなプラスの内容でしたが、共演者の顔を見ることなく語られたそれは、なんだか言い訳がましく聞こえてしまいました。

 そんな妙な雰囲気の後のトリプルでは奇面組が出てこなくて、残りの出演者もまごついてたのでトラブルでもあったのかと思ってハラハラしてしまいました。そのあと卒業式風に一人ずつ出演者の名前を呼ぶ流れになって客席扉から出てきたので台本通りだとは思うのですが、段取りが悪くて。

 「おももく」で稽古場の雰囲気に対して冗談めかして苦言を呈していたため*2、ヘソでも曲げたんだろうか、と失礼な憶測をしてしまいました。公演前の宣伝は期待が高まることも不安になることもありますが、奇面組に関しては後者寄りでした。素直な心で観れば千秋楽までドタバタだね奇面組らしいね、という楽しい演出なのだと思います。たぶん。


 内容以外ではマイクの切り替えが雑なのが気になりました。スペゼロはもともと声が全然反響しない劇場と言われていますが、マイクが入ってないと後方席ではなにも聞き取れませんでした。BGMのバランスもしっくり来なかったです。これもスペゼロなので仕方がないのかしら。駅近で迷わずたどり着けてトイレの数も多いのでわりかし好きな会場ではあるのですが。
 あとプレミアム特典がA4クリアファイル1枚だけというのも残念でした。チラシを持ち帰る習慣のない人だと持て余したんじゃないでしょうか。どのあたりまでプレミアム席なのかよく知らないですが(私が入ったプレミアム席は真ん中スロープより後ろでした)スペゼロで演劇初心者もいて9800円。推しのギャラに反映されているんなら全然いいんですけど。
 あと先行の段階で公式HPが完成してなくて、配役も公表されておらず、推しの名前がかなり後ろで心配になってしまいました。結果的には主役だったんですけど、それならそうと言ってくれれば心の準備ができたのにって思います。


 再演に関してはアンケ次第です、という仕草をカテコでしていました。日によっては当日券落選もあったようなので再演はあり得るのかもしれません。今回の座席は17列までの約420席。お時間のある方は夜も見てください、という決まり文句を聞かずにすんでホッとしました。どんな内容であれキャパであれ満員御礼とは素晴らしいものです。


 今回の舞台は33歳初舞台。全編コメディの座長という新しい要素を見ることができました。推しのことは、長身マッチョと絶世の美少年以外ならだいたいなんでもできるしやってきた俳優さんだと心の底から思っているのですが、まだまだ挑戦できる領域がありそうですね。

 

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 現在思うところあってあまり情報収集をしていないのですがこのブログは本当に嬉しかったです。ジパングパイレーツ懐かしいな。推しも若かったな。あの頃の雛たちは今、刀ミュできゃーきゃー言われまくってます。笑
 でもあの頃も座長で今も座長なのです。規模はともかく素直にありがたいことです。
 珍しく間が空きそうですが次のお仕事も楽しみです、と前向きに締めたいと思います。

 

*1:だから若手俳優が好きな人は、時として言動が厳しくなってしまいがちなのだと思います。

*2:「仕上がっていない現場に呼ぶな」発言は個人的にすごくショックでした。