2017/10/15 ハンサム落語第九幕 夜公演
ハンサム落語第九幕
日程:2017年10月15日
会場:新宿 シアターサンモール
開演 17:00
終了 19:00頃(休憩なし)
出演者:寺山武志×林明寛、平野良×宮下雄也(敬称略)
演目:後生鰻(寺山×林)、猫の皿(平野×宮下)、寝床(寺山×林)、幾代餅(平野×宮下)
DVD収録回につき、ちょっとしたメモ程度に留めておきます。
とにかく笑いました!おもしろかった!
今回は台本を担当される方が変わったからか、今までよりサゲを丁寧にやっていて落語としてのまとまりが良くなったように思いました。ぶっとんだ下ネタは相変わらず、なんなら前よりエゲツないと思う部分もありましたけど。
この回ではハンサム落語では初めましての寺山くんが輝いてました。
彼がいることでベテランだけのゆるい空気になりすぎなくて良かったと思います。
古参の中に放り込まれてもメゲないナイスレシーブ。ボケたがりを抑えて必死にツッコミつつ隙あらばボケつつの感覚が素晴らしいオールラウンダーなので、西山丈也さんの跡を継いで平野さんとペアで演じていただきたい…! 第十幕に期待です。
早くも千秋楽ということであいうえお作文は「てらやま」でした。アッキーとのペアに苦戦して何回も「良さんがよかった!!!」と叫ぶのが平野ファン的にはおいしすぎました。
林アッキーは経験者組なんだけれども寺山くんと同い年なんですね。
若さと勢いと憎めないキャラクターでもって笑わせてくれました。芸達者というのとはちょっと違うんですけど不思議な魅力があります。
大喜利コーナーもほぼアッキーいじりで、あいうえお作文もあやうく「あきひろ」になるところでした。
平野さんが自分も漢字を間違うのにすぐアッキーを漢字読めないキャラとして扱うのはどうなのかなーと思ってたんですが、実際目の当たりにするとご本人が嫌がるそぶりもなく円満な空気だったので、当たり前ですが仲良しゆえの発言だったのねと一安心。
平野さん今回も、茶道を「ちゃどう」と読んだり(そういう読み方もあるんでしょうか?)アッキーとの距離感について「八頭身くらい離れてれば」とか言ってて客席中に「???」が飛び交ってましたからね……八頭身って何が言いたかったんでしょう。八馬身? それも誤用っぽい気がする。
宮下平野ペアは安心安定でした。定価の価値があるハンサム落語です。
以下、推しの演じた役をちょっとだけ掘り下げて書きます。
平野さんは「猫の皿」では、がめついせどりの古美術商さんを、「幾代餅」では主に親方と幾代太夫を演じられました。
全部楽しい役でした。演じ分け、言わずもがなですが、最高。
「猫の皿」の古美術商は、ソトヅラのよいイケメンお兄さんと勝手に予想。茶屋の爺さんに取り入るために心にもないことをペラペラ捲し立てる調子のよさ、爺さんの飼い猫をあやす動き、すごくいい!
普通の人なら騙されそうな感じが絶妙。落語だから爺さんの方が一枚上手なんですけどね。
懐に抱いた猫ちゃんの扱いが本当にお上手で、はだけた白い胸元に、鋭い爪でひっかかれた赤い傷が見えるかのようでした。
「幾代餅」では、豪気な笑い方の人情味あふれる親方と、大名のおもちゃ(!)のしっとりした太夫との落差。たまんないですね。
その太夫はあえて心の裡は見せないようなキャラなんですけど、それでもラストシーンの表情がね。いいですね。彼女を演じるときギリギリまで引いてみせて空気がビシッと締まるあの感じがとても好き。
あと衣装と髪型、今回は特に好きな感じでした。
やわらかい白に紅葉の柄で大人っぽいのに、襟がゴールドのラメでゴージャス。黒いレースにドキッとする。
髪型はウェットなゆるいウェーブ。アイシャドウはあんなに濃くしなくてもじゅうぶん美しいのにな、って毎回思います。
そして演技が終わって立ち上がったとき、引きずるくらい長い着物の裾を、お行儀悪く蹴りとばして直す様がすごくコケティッシュなのでした。しかも素足です。控えめに言って最高でした。
あそこはなんの役もついてない時間なんですけど一体どういうコンセプトなんでしょう。クセがあるけど引きも切らない売れっ子の花魁っぽくてとても良いです。
twitterやご本人のブログにアップされてる写真の1000倍くらい本物は色っぽいので気になった方は劇場へどうぞ。
今回はメンバーがかなり入れ替わっていて、フレッシュなメンバーとの組合せも観たかったんですがちょうどいい機会がなくて残念です。せめてマチソワで違う組み合わせが見られると地方人としてはありがたいんですけどね。演じる側は同じお客相手に連続で二度笑わせるの大変なんでしょうけど。
毎回優待や買い足しイベントがあるんでぶーぶー言いがちなんですが(今回もリピチケが3500円+特典写真つきで出てて東京の人はいいなーって思いました)演じている姿を見ればやっぱり次も観たくなります。
以前とくらべると回による当たり外れも減った気がします。
中性的な衣装を武器に、女性役も男性役もすっと切り替えてこなす様は本当に楽しい。
実験的な役づくり、他の舞台ではなかなか回ってこない系統の役も見られますし、マクラのフリートークっぽさも他では味わえないおもしろさがあると思います。
回ってくるレポを見ると相変わらずいろんな暴露をされてるみたいなのでマクラ部分だけ寄せ集めて映像にしてほしいくらいですが、残らないからこそぶちまけられる話もあるんでしょうね。演技だけでもお上手なんだから身を切るような酒乱エピソードで人の気を引かなくてもいいのに、と思ってしまうのは余計なお世話でしょうか。ちなみに今回のマクラはDVD収録のためか内容は大人しいめでした。
enterstage.jp
カッパネコの謎が知りたい。