ドルフィンウォッチング

観劇や推しの活動の個人的なメモ。

2016/11/26 ムッシュ・モウソワール「レッド・ジャケット」DVD発売記念イベント

日程:2016年11月26日

会場:新宿 Studio Dee(東放学園地下2階)
開演 12:00
終了 13:40頃
出演者:平野良、宮下雄也滝川英治佐藤永典、オラキオ、西田シャトナー(敬称略)


※本編のネタバレも含みますのでご注意ください。


 ずいぶん時間が経ってしまいましたのであまり覚えていませんが記録のために書いておきます。


 モウソワリリイベ、昼の部?12時の回に参加してまいりました。
 DVDに同封されていたハガキ記載のシリアルナンバーを使い、専用のページから応募。
 その際に時間を選べて時間通りに当選したと思います。

 会場は地下鉄駅至近ですが、駅自体が利用したことのない場所だったため恐々。中に入るやガードマンのおじちゃんが目に入りさらにびっくり。入口から右手の階段を下りた地下二階にありました。


 メール画面とハガキのシリアルを照らし合わせるだけでとくに身分証の提示などはなし、シリアル入りのハガキはその場で回収。
 限定写真はキャラショットの別バージョンとゲネ画像。あとは直筆サイン入りのポスター(個別)もありました。
 写真は売り切れもあったようですが、イベント参加者に対して受注生産する旨のメールが来ていたので一応救済済みのようです。


 会場はフラットでパイプ椅子。天井が高くライトが複雑に配置されてまさにスタジオといった感じ。
 A~H列×12番まで作ってありましたが後方3列程度は空席もちらほら。ですが前方はきっちり埋まっていたので、早めに抽選に参加すれば前方席で観られたのかな。


 トークは5人のムッシュと映像を見ながらの各キャスト名場面の振り返りと、事前に集めておいた質問への回答。
 質問の出所がよくわからなかったのですが会場のアンケートかな?
 名場面は、平野さん→最後の最期のシーン
 宮下さん→自分たちには足が6本あるのだと説明するシーン
 オラキオさん→教官が全力で殺されるシーン
 あとの二名があまり記憶にないのですが女王様のシーンとうんたらかんたらだったかな…?
 途中でシャトナー伯もコンコルドにて到着、合流。
 いくつか用意されていた映像の中からシャトナーさんが選んで解説を加えていました。


 それからhttp://mirrorz.jp の心理テストに平野さん、さとちゃんがその場で回答。
 けっこう設問がヒヤヒヤする感じなのに結果はどちらもわりかしフツーという。
 さとちゃんの方がオカマ度チェックだったので最後にオカマをやらされてましたが、素晴らしかったです。
 テニミュの頃と比べるとだいぶ度胸がつきましたね。
 そういえばレッド・ジャケット本編でも平野さんの次に目を奪われたのはさとちゃんの熱演でした。
 特に警察に追われて銃弾が迫ってくるところの描写の病的で熱っぽい感じがかなりツボでした。
 また今度平野さんとガッツリ絡む役での共演が見たいものです。


 以降、思い出せる範囲で箇条書き。


・一回だけオラキオさんが途中でよくわかんないスイッチが入って、気が付いたときには公演が終わっていてその間の記憶が一切ないことがあったらしい。
・どこまでがアドリブでどこまでが筋書きなのかということ。
 無茶苦茶に見えるけど一応の筋は決まっているので最終的に間違えない程度には自由にやっている。
・なので滝川さんがものすごく自由にやっているように見えても実は真面目な方で、必ずこれをしてもいいですか?とシャトナー伯に確認していた。
・でもそれにキレたさとちゃんの滝川さんに対する蹴り(わりと本気)(DVD収録済み)
・公演最初の方では宮下さんも結構滝川さんに対してキレていた。回を進めるごとに分かり合っていった感じ。
・シャトナーさんがこれをできるのは宮下くんしかいない!と太鼓判を押していたシーン。
 それは軍人がたとえの存在だとわかってひょっとこみたいな顔で「はいはい、なるほどでございますね!わたくし、ぜんぶわかりました!」。
 それをどういう温度でやるのかっていうところを、宮下さんに投げかけたら数回で出来上がったのだとか。
 あのセリフからの「~ってなんでやねん!」のシーンは、突っ込みを入れてる宮下さん自身もたとえ話なので、わかってから見返すとじわじわくるんですよね。
 後半、自分以外の三人がたとえだってわかってしまってから自分の正体を気取られないようにエンジニアが自覚しないようにもがく姿がいじらしい。
・役名がない舞台ですが平野さんは中にいたがる男、あるいは「エンジニア」というのが公式の呼称のようです。そう言えばブレネリが呼んでいた「タカヒコくん」については触れられなかったですね。
・そのエンジニアが最後に一人であることに気づき天に召されるシーン。
 ムッシュ・モウソワールのテーマをいつ流すかが大事で、劇場入りしてからあのタイミングに決まったとのこと。
 DVDでは「あんまり怖くは…」と言い出したところから流れています。
・そのキャラクターがたとえで影が薄いとわかったシーンで必ずなる「ピチョン」という水滴の滴るような音。(見返すと実はいろいろなところで少しずつ鳴っている)
 あれはエンジニアの血の流れる音!
 これが一番驚きであり収穫だったかも。
 ずっと風の音がしているのも実は部屋に壁がないことを表現している。
 一見無意味なシーンにも意味があり、演出家が見たらなるほど、と思うような仕掛けになっている。
・アドリブがあってドタバタなんだけど筋書はあるんか…というところに絡んでの発言だったと思うのですが、「おはよう」というセリフをおはようと思っていなかったら言ってはいけない、というシャトナー伯のお言葉。
 つまり心からおはようと思っていればどんな表現方法でもいい。
 だから一見めちゃくちゃに見えても演技として正しい、というような感じでした。


 ついでにレッド・ジャケットの公演自体の感想も書いておきます。
 勢いがありすぎて見てて疲れることもあるのですが、シャトナーさんの世界観・宇宙観・生死観がぎゅっと詰まっていて大好きな作品です。
 化け物から逃げてきた5人が密室の中で妄想と現実が入り混じった喧喧囂囂の議論をする。
 最終的なネタバレを言えば、全員は黒アリで化け物としての赤アリから逃げており、さらに平野さん以外の男はすべて「たとえ」で存在しない。
 誰もいなくて、逃げ込んだはずの部屋もなくて、致命傷を負っていたアリの巣の空調技師は星空も見えないまま死んでいく。
 ですがそれもフランス貴族のお遊びの空想劇であり、妄想をたっぷり聞かせたワインを最後に全員でいただく。
 そして貴族はフランスへ帰国していく。
 ということを現実の役者が演じている。
 (その先にもっと果てしない入れ子構造になっているかどうかは果たして…。)
 勢いが途切れない笑いっぱなしの舞台なのに一切救いがない。
 けどそれって、舞台を見て笑っている人すべても、そこまで悲惨な形でなくてもいつかは迎えることですからね。
 そういうのを嫌な形ではなくて思い出させてくれるお話は好きです。


「私が『たとえ話』かどうかは問題ではなかろうが。私を題材にしてあなた方の心になにが起こるか、それが大切なのです」
 これはどんな舞台にも言える普遍的なことなんだろうな。


「恐ろしいことなどないのだと。死がお前に到達する前は何も近づいていないのと同じだ。そしていつか死がお前に到達したときお前は無となり死を感じることができない。だからどうせ恐れる意味などないのだ」

「実際に来るまで死は訪れません」
「でも絶対に来る」
「来るまでは絶対に死なない」

「たとえ話が終わったところに俺たちはいるのか、それともたとえ話が始まったところに俺がいるのか」
「俺がさっきまで元気だったのは…たとえ話だったようだな」
「お・に・い・さ・ん・い・き・て」
「まだな。でももうすぐ終わる」
「毎日いろんなもの運んでるうちにもっと大切なもの運べないかなと思うようになってさ」
「俺が絶対運んでやるから」
「俺の今日の荷物、お前だから」

 最後三つは劇場で見たとき寂しがりやの平野さんの願望かなって思ったくらい。笑
 アテガキがピタっとハマって見ていて気持ちがいい。
 舞台によっては、もう少し若い時に出会えたらもっと夢中になってその世界観に心酔できただろうに……と思うものがあるんですが、この作品は今だからこそすんなり受け入れられるしさらに歳を重ねてから見ても感動できると思っています。


 平野さんのエンジニア、ボーナス入れて年収800万円のイケメン。
 やわらかい茶髪に前髪があって非常にビジュアルもよいです。
 あっさり顔イケメンだからこそ、根はまじめで少しツッコミ気質である意味没個性的な、それでいて作り手の理想を委ねられる主人公役が似合うなと思います。


「我々の目は自分が望むものを見る。」

 

 

 


ムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロをチラッと見せ

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