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ドルフィンウォッチング

観劇や推しの活動の個人的なメモ。

2017/1/28 お気に召すまま マチソワ

観劇・イベント *

日程:2017年1月28日
会場:有楽町 シアタークリエ
開演 12:30 / 17:30
終了 15:00頃 / 20:00頃(休憩20分)
出演者:柚希礼音、ジュリアン、橋本さとし横田栄司、伊礼彼方、芋洗坂係長平野良、古畑新之、平田薫武田幸三、入絵加奈子、新川將人、俵木藤汰、青山達三、マイコ、小野武彦(敬称略) 他

 

 

 個人的な好みで言えば大好き!です。
 セリフは格式ばって堅苦しいから集中しないとおいて行かれそうな緊張感があるのに、舞台上で流れる空気は出だし以外はとてもゆるやかで、観劇後はまったりとした気分になれる、そんな不思議な舞台でした。


 物語の舞台は昔のアメリカに置き換えてあるのだけど、セリフは翻訳調で、学生時代に背伸びして読んだ文庫本のシェイクスピアの世界そのもの。
 観劇が趣味とはいっても推しを推すだけで精一杯で、格式高い作品だとか古典の名作だとかに触れてこなかったので、素敵な機会をいただきました。
 とくに宮廷道化師(芋洗坂係長さんのタッチストーン)を実際に見られたのが嬉しかったな。
 私は『リア王』がとても好きで、とくにリア王が荒野をさまようとき道化を連れて行く場面が好きだったので、それを思い出しました。
 救いのない旅でも道連れがいるのに弱い。
 (リア王の道化は途中でいなくなってしまいますが。)
 だからオーランドーを卑劣な兄の元から旅立たせ、老後のための貯蓄で奉公を乞うアダムの献身もツボで、初見はまずそれで涙しました。
 そして老いには勝てず途中で歩けなくなっちゃうアダムがとってもかわいいし、ここを墓としてくださいという潔さが切なく、それを見捨てないオーランドーは本当に優れた人間性を持っているとわかる。
 と思ったら後半は楽しいトンチンカン先生として出てくる青山さんが素敵でした。
 二役演じ分けの多い舞台ですが、全員キャラが立ってるのでスムーズに観ることができました。


 前置きはこのくらいにしてお目当ての平野さん。
 第一幕、まずはじめの登場シーンはレスリングのレフェリー。
 ブログにもあったストライプの衣装、帽子、おっしゃー眼鏡もしてたような。
 パンフ後ろの稽古写真では姿が見えないので、もしかしたら後になってついた演出なのかな?
 セリフはないのですけど試合開始前に伊礼さんが演じる官僚?とずっとおしゃべりしている。
 控えめな笑顔が可愛らしい。
 比較的サイズの大きい舞台でも演技が細かい人。
 逸る二人をなだめて握手させたり途中キック食らったりと、なかなかの活躍ぶり。
 ですが試合が終わると速やかに退場し、その後はシルヴィアスとして出てくるまで比較的間があきます。

 

https://spice.eplus.jp/images/YsVXd0jUr0bii6HtJ4xpsBnjJDpUcQ37NYu8z8Ib9hwoUkoaAymtmtPtnCtCmF7k/

マイケル・メイヤー演出、柚希礼音主演『お気に召すまま』が開幕、そのゲネプロをレポート | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス


 一幕後半になってやっと羊飼いさん登場。
 オレンジのヒッピーなお洋服、胸元がガバっとあいていて、みんな大好きなホクロが常時あらわれているご褒美状態。
 さらに激しい動きではぺらぺらの御胸が見えたり見えなかったりと、フェチ心をくすぐる衣装でした。
 下半身はブーツカットのデニムにベージュのモカシン。
 そういえばレフェリーの靴どんなだったか記憶にないな。


 そして台車にのったお子様羊ちゃんたちの、舌ったらずで天使のような歌声とともに現れるその姿、かわいい×かわいい=∞をまさに体現していてちょっとびっくりするくらいのかわいらしさでした。
 ポスター等のヴィジュアルがアレだっただけに余計に……あのままでなくてよかった。笑
 シルヴィアスは女羊飼いのフィービーに首ったけだけどフィービーはつれない。
 しかもギャニミード(男装したロザリンド)に恋したフィービーに彼宛の手紙を託されてしまったりと、情けなくてナヨっちい。
 ですが演技はしっかりと、シェイクスピアの舌がもつれそうな長セリフをちゃんと言い、身振り手振り顔つきでもって客席にビシっと届けてくれます。
 ハンサム落語とかレッドジャケットとかで断片的に見せていたものを、きちんとした演劇に落とし込んだ感じ。
 でも「愛とは」で急に声音がイケメンになるジェットコースターのような落差、その手を上に!あげる元気なポーズ、あのへんはみんな大好きなやつだと思うので、海外の方が演出つけてもそういう役どころなんだ!という面白い発見がありました。


 キャスト一覧で名前が省略されることもあったので出番的に心配だったのですが、メインお二方とも絡むし、なんなら二人の関係を引っ掻き回すのに一役買っていてなかなかのおいしい役どころ。
 和やかな雰囲気で笑いどころの多い舞台ですが、その中でもさらに笑いを取るための役割も多めな印象。
 とはいえ若手俳優だけの舞台にありがちな力技でなく、何回観ても面白い安心感と安定感がありました。
 ええもう完全にひいき目ですけど。
 だってとっても良かったんですもの。


 そしてなんやかんやあっていろんなところでカップルが成立して、最後は怒涛のハッピーエンドですよ。
 喜劇最高。
 ハッピーエンドが待っている。
 ギャニミードが女と知り恋敗れたフィービーを受け止め、上着を脱ぎちゃっかり着ていた正装でもって、羊飼いカップルもめでたくゴールイン。
 これまでのツンな態度とは打って変わってシルヴィアスによりそうフィービーちゃん、少し膝を折って身をかがめてあげるその優しさよ。
 そして二人で抱き合うシーンもさることながら、前半はレスラーだった武田幸三さん扮する森の住人に祝福され、シルヴィアスが思わず抱きつくところがとってもかわいらしいのですよ。
 武田さんはさすが元チャンピオンで筋骨たくましく、ほとんど身長の変わらない平野さんにあの勢いで飛びつかれてもビクともしなくてすごい。
 「長い初夜を……」でそっとフィービーのお尻を触って怒られる場面も、表情は見えないけどとてもかわいい。
 先日インフェルノのDVDでかっこよすぎる平野さんを観たばかりなので、かわいらしい役が余計に嬉しい。


 そしてちょっと前後しますが謎のスチームパンク魚とともに現れる子役ちゃんたちのリアル天使っぷり!
 この世に生を受けてわずか数年の、まだ自我が完成されてなくて神の子(幸村ではない)状態の子供が、純白のおべべに羽をつけて、大人の作ったもっともらしい口上を述べて歌い祝福する姿の美しさ。
 それだけで涙ぐみそうになったのはもう個人的な加齢の問題でしょうね。
 若いころには子役にも結婚にも感動しなかったから、今この年齢で出会うことができて嬉しい作品でした。


 ちなみに歌はご本人がカレンダーイベント(だったかな?)で言ってたとおり、ソロはなく合唱のみ。
 個性も出さずになじませている感じ。
 ハモりのパートはやっぱり下担当だったのかしら。
 (平野さんがユウくんだったとき、カワイイ顔して鎬を削るとき下パートなんだ!と気づいてそのギャップにひょえーっとなった記憶からハモりパートの上下が気になるわたくし。)


 それからお髭は初日からなかったですね。
 髭を伸ばしている理由を貴族の役なので……と言ってましたが、シルヴィアスもアーデンの森に逃れてきた元貴族なの……?
 オードリーに横恋慕するウィリアムなんかはつとめて田舎っぽい口調で、それとは違うけど、洗練された口調でもないような。
 ネットで調べてもよく分からなかったです。
 ちなみに原作だとシルヴィアスはそこそこの容姿、フィービーはシルヴィアス以外は惚れないような女なのだけど好意を寄せられて勘違いしているらしいですが、平田薫さんの美しさと平野さんのキャラクターでもって、関係性や雰囲気がちょっとだけ変わっているように思いました。

 

 最後に他のキャストさんなどについても少々。
 橋本さとしさん。
 有名なお方ですが初めて拝見。
 すごく雰囲気があって素敵でした。
 真っ黒な衣装でゆううつ病、森の中でも一人だけ浮いているんだけど、浮きっぷりが徹底していて素晴らしくかっこいい。
 平野さん是非是非是非是非また共演してください。
 ちなみにアフロにサングラスの陽気なル・ボーと同一人物だとは全然わかりませんでした。


 それから私の中で召使のアダムと同じくらいお気に入りなのがオリヴァー。
 絵に描いたようなイヤな奴なんだけど、ライオンに襲われ弟に助けられたシーンを一人再現する姿が好きで好きで好きでたまらない。
 なんであんなに面白いの!
 そして弟への愛に目覚めシーリアに惚れてからすっかり丸くなった姿、好感度高すぎ。
 愛は地球を救う。


 そういえばオリヴァーが森に入ってさまようところや、フレデリックが森で謎のカルト集団に出会って改心する(?)シーン、すわドラッグか?というような、まさにサイケな表現でしたね。
 あとは喫煙シーンがリアルなタバコのようで、客席まで匂いが流れてきました。
 水たばこをぷかぷか吸いながらあれだけ歌う伊礼彼方さんもすごい。
 というか伊礼さん、メインキャストで出ずっぱりなのにアミアンズとして発言することはほとんどなく、しかし歌は多くてまるでストーリーテラーのような不思議な役どころでした。
 前半はギター、後半はベースと持ち替えるのもかっこいい。
 音楽は生演奏と録音の組み合わせでしたが、音楽で心情をゴリ押しするのではなくてとても自然なものでした。
 無音で無色の宮殿やお屋敷と、賑やかでカラフルなアーデンの森での生活の違いもくっきりと出ていて、わかりやすかったです。


 さすがの東宝ということでチケット代的にリピートが厳しい舞台ではあるのですが、時間とお金が許せばもっと観たかったな。
 2017年の推し初めがこの舞台で本当によかったです。

 

 


『お気に召すまま』プロモーション舞台映像


『お気に召すまま』コメント映像/平野良