ドルフィンウォッチング

観劇や推しの活動の個人的なメモ。

モリミュ感想追記。


ameblo.jp

 この2ショが最高なので見てください。


 ”演劇の鬼神、「深遠なる演劇魂」”
 かっこいい。最高。




 モリミュの覚書を少し。大阪中心ですが、感想は前回の内容と重複します。

 大阪会場のリビエールホールは新大阪からさらに一時間。
 JRを使うと乗り換え2回、駅から徒歩10分ほど。
 2階最前はバーが邪魔、1階センターは座席の配置がまっすぐでやや見づらいという意見を見かけましたが、私の座った2階席と1階サイドはおむね快適でした。
 音の反響がすごくよくて、よすぎて1階席だと後ろから跳ね返るのが多少気になるので、2階の方がまとまりがあるかも。

 今回はピアノとバイオリンだけなのに音がすごい厚くてよかったな。キャストもそこまで大人数ってわけじゃないのに。
 ピアノの表現力もさることながら、バイオリンが入ると音に緊張感が生まれてシャーロックにぴったり。
 ジョンが初めてシャーロックの部屋を訪れる時のノック(バイオリンをたたく)→時計を確認(弦を指で弾く)→開けたドアの軋み、の再現好き。あそこ以外に効果音つけてるところあったのかな。目も耳も足りない舞台だったので見落としてることいろいろありそう。
 バイオリンの林さんがシャーロックの影としてオソロの指輪つけてくれてたのもすごく良かった。
 私やっと大阪であれに気づいて、その瞬間思わず叫び出しそうになってしまいました。
 あんな純朴な青年に髑髏モチーフの指輪をつけさせるなんてシャーロックは罪な男だよ……!
 けっして好青年ではないのにいろんな人から好かれているシャーロック。ハドソンさんも、レストレードも、街の子供たちも、出会ったばかりのジョンも。
 その危うげな魅力が舞台上からビシビシ伝わってきて、特に歌っているときは心臓がぎゅーっとなりました。

 これまでも歌う作品っていくつもありましたが、ここまで堂々としていて、それを見てこちらが心から酔っぱらえたのって初めて。
 しかも東京の時点で良かったのに大阪の完成度たるや。最高か。
 この作品はなんといってもウィリアム@鈴木勝吾くんの神のごとき音域が軸となっていますが、シャーロックは変幻自在の人情味あふれる歌声でもって応戦。互いに高め合っているのが最高でした。立ち会えたことが奇跡。
 同じ時代に生まれてくれてありがとうってこんなに思ったのも初めて。いや正確にはテニミュ以来かな。
 最近は推しのことが好きすぎてシビアに見すぎて素直に感動できずにいたんだなって今更自覚。そんなよく分からないコダワリすら圧倒的作品力で取っ払ってくれるそれがモリミュ。好き。

 鈴木勝吾くんと推しは「激奏三国志」「青空の卵」で共演してるのですけど、どちらも絡みはほとんどなかった気がします。ていうか激奏三国志は虚無っていうか時代のあだ花っていうか……大変アレな代物で思い出すと頭が痛くなるのでリンクも貼りませんし、つまりもはや初共演ですね。そうですね。いっぱい語り合ったみたいだし今後も素敵な縁が続きますように。

 シャーロックはもう行動いちいちすべて全部好き。原作通りなのに平野良。なのにどう見てもシャーロック。
 だから感想を書こうとすると、シャーロックがいいのか平野良がいいのか混乱してくるほど。
 ジャンキーの役っておいしい。初めてかなと思ったら太宰治もいちおう薬物中毒の人だった。もっとも文アルの彼は芥川中毒のょぅじょって感じでしたけど。

 煙草を挟む指先は言わずもがな。ジョンの胸元を漁って懐中時計を手繰る手つき。
 「脈を取って気道を確保」の白い喉の反り、添えられた指先がやっぱりセクシー。
 手錠をかけられたまま腹這いで死体を調べる偏執的な様子。
 職業当てで貴婦人を両手にぶら下げるのがサマになっているのに、ハドソンさんをからかうときの子供っぽさのギャップ。
 殺陣もすごくかっこよくて、錯乱したエンダース卿を取り押さえようとするところ、指輪を取り返しに来たフレッドとの格闘、それからなんといっても酒場でジョンに加勢するシーン!
 あの息の合った動き、見ごたえあるし、息抜きしつつホームズ組のドタバタ感出しつつ、シャーロックとジョン出会って間もないのに息ぴったり!感もすごく出てて大好き。
 そんなにアクションメインの作品じゃないのに殺陣が六本木康弘さんで贅沢。
 全体的に鬼宿っぽいなーって思ったけどウィキ見たらシャーロックって公式に東洋武術を体得してるのね。あれがむしろ正解なのね。
 その後部屋でネタばらし→ハドソンさん登場→つとめてイケボで取り繕うシャーロック(わかってても笑う)→さらにレストレード登場でドーパミンだばだば出てるシャーロック、までの畳み掛ける流れが鮮やか。
 モリミュはシーンのつなぎ目に違和感がないんですよね。セットは一個で固定されてるけどその分長い暗転がなくステージも端だけ使ったりとかして。

 あと、ふだんは集中力途切れちゃうなと感じることが多い通路演出も、ただの客席喜ばせ用ではなくて、うまく流れに沿ってました。
 多くの方が呟いていましたが、劇場型犯罪を実際の劇場でやるのはすごく面白かった!
 エンダースのいた舞台装置が上がって客電つくのは原作から予想できたので、原作を読まないで新鮮に感動したかったくらい。
 あそこで舞台に駆け上がるシャーロック、客席にいつからスタンバイしてたんだろう。通路席に座ったことある方に聞いたら柔軟剤風のいい匂いがしたらしい。なにそれ羨ましい。
 ノアティック号では原作ではいないルイスがいますが、それによってあの素晴らしい歌が聞けたから最高の改変だと思いました。
 一慶くん、ただでさえ上手な歌が大阪ではより感情がこもっていてすごく美しかったです。
 あえて華やかな兄たちのサポート役に徹しているのだけど、ここぞというときに眼鏡外すのずるすぎる。そして誰よりも兄に心酔している様子はさすがでした。

 歌といえば井澤くんの歌を初めて聞いた気がする。
 声がすごく甘くてドキドキしてしまった。あんなに顔がよくて足が長くて声がいいってすごい。ずるい。
 2.5次元のお手本のような素晴らしいモラン大佐でした。
 船員の制服姿がまた最高。足が暴力的に長い。フレッドとの絡みがかわいい。
 ウィリアムにいつでもシャーロックを殺すと言ってみせるシーン、原作でも大好きなのですが、2.5次元化されるとため息が出るくらい最高なシーンでした。
 そのビジュアルの美しさ、信頼関係の美しさ、あまりにも尊い
 井澤さんご本人はハイブランドを着こなすリア充なご様子からこわい人なのかなって勝手に思ってたのですが、千秋楽カテコの「踊れ踊れ」が最高すぎて完全に誤解でした。謹んでお詫び申し上げます。
 YouTubeに上げてくれてるVLOGというものを初めて拝見したのですがとてもありがたい。そしてやっぱりリア充ちょっとこわい。

 赤澤くんのフレッドは、表情には出せない本人の優しさの表現が難しい役どころ。
 ともすれば棒読みっぽく見えてしまうと思うのですが、雰囲気がよく似ていて、声もアニメ化したらこんな感じだろうなって説得力がありすぎてすごくフレッドでした。
 モランのボタンの世話を焼くシーン、コミックスの描き下ろし部分みたいな雰囲気で楽しかった。
 変装たくさんお疲れさまでした。
 そしてモランとの歌がすごくいい。

 アルバート兄様もまたウィリアムのために惜しみなくすべてを差し出す人なのですが、それでいて隷属するのではなく、生来の気高さが感じられてかっこよかった。
 上手の席がなかったので細かい表情が追えなかったのですが、食事会のシーンなどサイコな味付けがされてたようなので次回はそこをもっと観たいです。

 ジョン。ケンケンさん。すごくお久しぶりでした。演技を見るのは、1st氷帝にドはまりしてた友達に借りたエアミュのDVD以来かもしれない。
 もはや比べるのも失礼なくらいの昔の知識なのですが、しかしあのキラキラ感は健在でした。表情がキラキラ、歌もキラキラ。
 で、あれを一生懸命ジョンが歌ってるときのシャーロックの表情!
 あの意味が知りたい。というか延々眺めて解釈を考えたい。
 ソファに深く深く沈んで、手足を投げ出して、煙草の煙をめいっぱい肺に溜めて、虚空を見つめて。
 もう虚脱してるって感じで、煙も無造作に、呼吸と一緒に鼻から吐き出しているのです。
 ホープの事件を引きずっての表情なのか、ジョンの歌から今受けた感情なのか、それとも今後の暗示なのか。
 私正典とか一切知らなくてカンバーバッチも見てなくて、でも推しが演技を参考にしたっていうからウィキを見たら、ワトソンくんてばさっさと結婚しちゃうらしいじゃないですか。なのでそのあたりのヤンデレの片鱗かなにかなの?と勘ぐってみたりして。
 謎は深まる……この余韻がとても楽しい。

 他の方についても少々。
 レストレード警部。しゅんりーさん。
 この方もお久しぶりで、大昔JACK JACKというユニットがあった頃に新宿JACKというイベントでスマスパがゲストで来た回を拝見した以来……?たぶん余裕で干支を一周している。
 そんなベテランのしゅんりーさん、とっても面白い。間合いがうまい。勾留されてるシャーロックが鍵を開けて現場に連れてけと要求する場面、あの長身でシャーロックの肩を抱きこんで「……行こっか」だったり「行ってきまーす」だったり、決めるとこ決めてくれるのほんと安心できる。
 「俺を逃がせ」→スコットランドヤード集合、の場面もおもしろい。レストレードが部下たちの気を引くためになぞなぞ始めたら逃げずに参加しちゃうシャーロック超絶かわいい。謎が俺を呼んでいる。
 あー思い出すだけでニヤニヤしちゃう。楽しい。
 こうしてみるとシャーロック側はテニミュ1stキャストが3人もいるんだなー。
 そしてもう全員がすっかりベテラン扱い。時の流れを感じすぎる。
 そんな中で一人お若いハドソンさん、舞台上ではお姉さんの役でしっかりしてるのにカテコではふわふわしていてギャップ萌え。
 出番が後半なのにいきなりテンション高めで歌もうまくてすごい。
 シャーロックが出した偽のお手紙のイマジナリーハドソンさんかわいい。
 ジョンが年齢聞く→シャーロックが「四捨五入でさん…はーん!(ビンタ)」が絶対笑っちゃうやつで大好き。

 それからこの作品はアンサンブルの方々の演技もいいんですよね。全員で歌っているときにも一人ひとりバックボーンを感じて、ほんと目が足りない。
 「さよならソルシエ」でお見かけした方がお二人ほど?いらしてちょっとほっこり。おいしそうな絵を描くパン屋さんが悪い貴族になっている。
 ナイツテイルの鹿役の方がアンサンブルにいたのもびっくりでした。全編美しい作品だったのですけどあの鹿狩りのシーンすごく好きなのです。
 いやはやなんとも贅沢な舞台でした。

 千秋楽カテコの鳴り止まない拍手、キャストの方も手ごたえを感じてこれからもよろしくお願いしますという雰囲気、挨拶も奇をてらわずつつがなく進行し、楽しかったなあ。
 でも結局完売にならなかったのはちょっと悔しい。
 おかげで直前でも遠征キメられたんですけど完売してほしかったな。
 せめて東京の方が最終の新幹線に乗れる会場だったら違ったのかなと思います。
 5月は2.5舞台いっぱいあったし、月曜日を犠牲する遠征ってなかなか難しいですよね。
 私は推しが主演だったからその手段を選べましたけど。
 ちなみに千秋楽が終わったのは22時を少し回ってたくらい。
 当然その日のうちには帰れませんでしたので新大阪に宿を取って翌日のんびり帰りました。

 思い出していけばキリがないので(すでに一週間くらいちまちま書いている)ひとまずこのあたりで締めたいと思います。

 本当に本当に傑作だった「憂国のモリアテーティ」、ぜひ再演をお願いします。